2015年の省察

#diary

年の瀬に1年をふりかえります。

ペパボ新卒エンジニア研修

今年のターニングポイントは、ペパボ新卒エンジニア研修でした。3月か4月ごろに担当を任されることになって、そこから猛勉強が始まりました。

研修の準備(設計)にあたり、学んだこと

研修を受けた身ではあるものの、研修の設計に関わるのは初めての経験でした。CTOやひろやんさんをはじめとした、研修関係者で認識を合わせることは非常に大切でした。研修にあたって、教育学や組織論、キャリアデザインに関する書籍を読みました。以下はその一部です。

これらの書籍は研修関係者で読みました。これらのような書籍を読んだ目的は、研修そのもののブレを無くすことです。いわゆるユビキタス言語といいますか、共通の語彙を関係者間で育み、円滑なコミュニケーションを取れるように勉強していきました。

「私」レベルの教育論を越えて

そこで出会った中原淳先生の『企業内人材育成入門』に、以下のような一節があります。

〈私〉にとってうまくいった教育方法でも、〈彼〉にとってうまくいくわけではない。〈私〉にとっての「教師」は、〈彼〉にとってもよい教師であるわけではない。「ここ」で通用したものが、「あちら」では通用しない。 (p. iv)

スポーツ選手だからといってトレーナーや監督へ簡単になれるものではない、といった言説もあるくらいで、感覚的にも分かりよいと思います。自分にとっての師を真似ようとしても、上手くはいかないだろうと考えていました。

もう1つ、同書でハッとさせられた一節があります。

教育を提供する主体は、「企業」であって「私」ではない。そうであるならば、諸理論の知見をエビデンスとした処方箋が選択され、組織の意思決定として承認され、ノウハウを持った人々によって、集団に対して適用されるべきである。 (p. iv)

歴史ある学問や諸理論の知見に学ぶことで、「『私』レベルの教育論」から脱却し、組織的な教育体制を整えることの重要性を理解しました。思えば、エンジニアリングやプログラミングにおいても、書籍や歴史に学ぶことがあるわけですから、教育や学習についても同様な学び方は自然といえるでしょう。

なお、ここで言われているのは、己を捨てろということでは無いと思います。研修は「やって、おわり」ではありませんから、「私」から離れる気持ちを持って、自らが設計した研修を厳格に評価するための姿勢(と知識)が肝要だという風に理解しています。

研修を超えて、新卒エンジニアに期待すること

研修は「やって、おわり」ではありません。研修後の成長をサポートしていくことが大切です。研修の効果は、その最中に評価することが難しいという事実もあります。もちろん、傍から見ているとメキメキ伸びてると思うわけですが、本人たちが具体的な成果を出し、それを言語化して価値を認識させないかぎりはなかなか説得力に欠けます。要は、親バカに見られてしまう、というわけですね。

そんなわけで、新卒エンジニアへの期待は言わずもがな、圧倒的な価値を生み出し、事業を差別化できる技術 1 を生み出すことです。私もまだまだ未熟者ですから、これからは良き好敵手としても切磋琢磨しあえたらなあと思います。

また担当をやりたいか?

やりたいと思っています。

というのも、今年は今年で全力を尽くしたつもりですが、振り返ってみると、まだ稚拙さを感じることも多く、去年よりも良い今年、今年よりも良い来年を実現させたいという気持ちが膨らんできています。

しかし、私ひとりの力ではどうにもならないことがあります。研修の効果を広げるためには、自分よりも若い人たちが、更に若い人たちに関わっていってもらうことで、より良く変えられるんじゃないかと考えています。具体的には、今年の新卒5期生の一人ひとりが、次に入ってくる新卒6期生のみんなに、先輩としての自覚をもって接してもらうことが望みです(アレコレと要求の多い先輩でゴメンよ)。

一方、ペパボの新卒エンジニアは年明けから配属なので、まずは配属先の事業理解と、チームメンバーとの仕事を大事にしてほしいです。研修は片手間に出来るような瑣末事ではないので、研修と事業のバランスについては、CTOやひろやんさんら研修関係者の方々と話し合っていこうと思います。今年よりも多くの方々を巻き込めるような形で実現させたいですね。

ブログ・スライドでのアウトプット

というわけで、アウトプットも新卒エンジニア研修関連ばかりでした。

読書、学習

趣味は読書、を地で行ってる方です。というわけで、今年は漫画除いて144冊でした。 年間150冊を目標にしていたんですが、10〜12月の忙しさがひどくて目標届かず。教育論、組織学習関連の書籍のほか、小説や技術書もちょいちょい読んでました。

というわけで今年1年を振り返ってみましたが、最初から最後まで研修な一年だったように思います。

来年については、他の方々のふりかえりが「来年はもっと技術やりたい」といった内容ばかりで、私も例に漏れず技術的なアウトプットも増やせたらなあと思います。

それでは今年一年ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

おまけ