効率的に読むこと、読み手の気持ちになること ― 「プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術」を読んだ

#book

ブログに限らず、誰かに向けて文章を書くということは日常である。 特に仕事となれば言わずもがな。

プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術」は、ライフハッカー [日本語版]の書評家である印南氏による、「伝わる文章を書く」ためのノウハウの詰まった本である。

「読む」ことの重要性

「書く技術」がタイトルに含まれる本書だが、しかし、この本の半分以上は「読む」ことに注力している。 STEP1 「プロ書評家が教える読書術・時間術」の冒頭で、次のようなメッセージが綴られている。

当たり前ですが、文章を読み取る力がなければ文章は書けません。

このSTEP1は4つの小項目に分かれている。

  • 隅から隅まで読む必要はない
  • ビジネスジャンルにおける、読み込むべき本と流し読みでいい本
  • 「まえがき」と「目次」で判断せよ
  • 効率的な斜め読みのテクニック

結論的には、本の構成 (読み込むべきかどうか) を見極め、じっくり読む本でなければ斜め読みしてしまうということに尽きる。 アウトプットをするためには、それに見合ったインプットが伴わなければならないので、効率よく本のエッセンスを汲み取っていかなければならない。

センスを磨く

また、「読ませる」文章に必要なものとして、著者は第一に「センス (感性)」を上げている。 センスというのは先天的なもの (スタート地点) と後天的なもの (スタート地点から伸ばせる領域) があると思う。 前者は各人のスタート地点なので、それ以上どうしようもない。 ここでは後者を指しているのだろう。

筆者曰く、センスを磨く3つのポイントがあるという。

  1. 読む習慣をつける
  2. 他人の視点に立つ (客観的になる)
  3. 好きな書き手の真似をする

3つ目の「好きな書き手の真似をする」は、自分には無かった視点だった。

思い返せば、自分が読みやすいと感じるブログ記事は、書き方について共通している部分がある。 その共通部分を理解し、まずは真似から始めて自分の型を身につけていくのがいい。 本書曰く、「真似ることに飽きたり、それを恥ずかしく感じたりするときが必ず訪れます。」だそうだ。

終わりに

このような読書術・文章術に関する書籍は、目次だけ抜き出してしまうと、どれも似たようなものになってしまうそうである。 しかし、印南氏の実績に裏打ちされた本書は、「誰かに文章で伝えたいことがある人」にとって、読み応えのある内容になっていると思う。

目次

  • STEP1 プロ書評家が教える読書術・時間術
  • STEP2 読み手の視点に立つ
  • STEP3 大切なのは「伝える」こと
  • STEP4 「読ませる」文章の書き方